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No.5 日本には二度と帰りたくないタイに住む高齢者達

日本の閉塞感・外こもり

冬次郎さんはタイを満喫していました。そんな中、久しぶりに息子夫婦と10才になる孫娘と食事をしました。中華料理とタイ料理の両方がある店で、息子たちが住むスクンビット通り沿いでも、とりわけ日本人が多くすむ地域にあります。

中華料理がそれほど好きではない冬次郎さんと、中華料理が好きな息子夫婦が行くにはちょうどよい広々とした大衆的なお店です。

息子の奥さんが、「あれ、お父さん、暫く見ない間に顔の肌艶が良くなりましたね」と声をかけます。「タイの気候のせいかな。食べ物も口に合うしね」と答えます。

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高齢者を大事にしない日本と大事にするタイ

冬次郎さんの顔に充実感が溢れ、肌艶が良くなり若返っているのは、もちろんタイ女性のお陰です。しかし口が裂けても言えません。

「もう、ワシは日本に帰りたくないよ。あの国はダメだね。タイに来てよくわかったよ」と息子夫婦に話しました。

老人を大事にしないのは敬老の日が有ることからもわかると言います。タイにはそういった日が必要ありません。ということは毎日、老人を大事にしているということです。

10歳の孫娘がウンウンと頷きながら「おじいちゃん、前よりも元気になったね」と答えます。

「そうだね、この年になって青春が来たみたいだよ」と孫に答えました。すると息子は意味がわかったらしく、すぐに話題を変えました。男同士なら一瞬でわかる言葉の端々です。

今がまさに我が世の春というのは、冬次郎さんの偽らざる実感でした。20歳前後の若い日々はまた次元が違い、格別な幸福を感じます。

青春の日々などは誰もそういった自覚をせずに通り過ぎてしまい、会社勤めを始めてからは、小売業という気苦労の多い仕事と、やがて持つことになった家庭のために身も心も捧げ、いつの間にか40年の歳月が流れました。

ご褒美は、年金という老後の保障が長生きを条件としてあるのみです。

タイ・スクンビット

いかに老後を過ごすかという話になると、人それぞれ、中には会社を追い出された途端にくたばって、何のための勤続だったかもわからない気の毒な同僚のことを思い起こせば、今の自分が如何に幸せなのか、如何に恵まれているかをしみじみ思います。

すでに任務は十分に果たしましたし、後は好きに生きさせてもらいたいというのが冬次郎さんの本音でした。

どうせ短い老い先ですから、寒い冷たい国を逃れて、ふうてん老人として暮らすことに何のためらいもありません。例えここで女難の相が出たところで、大したことにはなりません。

その時はその時で、命まで落とすことはないのです。たとえ命がいくらか縮まったところで、思う存分楽しんだ末のこと、なにも悔いることはないのだと冬次郎さんは思っていました。

息子夫婦と食事をしていると、携帯電話がなりました。冬次郎さんはタイにやってきてタイ女性と連絡を取るために携帯電話を購入していました。

携帯電話を購入したものの、マナーモードにする方法がわかりません。

「あら、お父さん、携帯電話を買ったのですか?」と息子の妻が聞きます。息子の妻は40歳を超え、いい感じに中年の色気が増していました。

息子の嫁ではありますが、「いい女と結婚したな」と実は嫉妬していました。かといって自分の嫁にはすでに女性としての魅力はありません。欲望を満たすために冬次郎さんは、別の部署の女性と浮気をしていました。

携帯の画面を診ると見覚えがある番号が並んでいます。もちろんタイ女性で名前はレックです。電話に出る訳にはいきませんので、電源を切りました。

「せっかくのタイだから携帯も持って、タイ人と交流がしたいと思ってね」と苦し言い訳をしました。この言葉で息子はすでにすべてを悟っていました。しかし同じ男同士ですから、気持ちは理解できます。

息子はすぐに携帯から別の話に切り替えました。ある意味、冬次郎さんには出来た息子さんでした。

続く

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