
タイ語の教科書さえ買えないい彼女や家族に対して、彼はとても不憫に思いました。日本であれば簡単にできることですが、中国からタイへ逃げてきた立場と貧困が重なってしまいツライ生活を送っていました。
「出来れば彼女がタイ語を習えるように援助してもらえないか」と、彼が宿泊している家主が彼に頼みました。援助か…。1ヶ月にどれ位送金しなければならないのだろうと彼は少し緊張します。
すると必要な金額は1ヶ月に500バーツでした。日本人からすればなんてことはないお金ですが、タイの貧困層からすればかなり厳しいお金です。たった1,500円ほどで一人の女の子の暮らしが変わるならと、すぐにOKの返事をしました。
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日本でできない結婚がタイなら出来る
彼は彼女に対して毎月1,500円以上の援助を約束しました。この援助が彼の将来を大きく変えることになるとも知らずに…。
チェンライに知り合いや宿泊できる場所が出来ましたので、彼は休みの度にやってきました。援助をしている少女の顔や家族と会うのも楽しみになっていました。少女は確実にタイ語が上手になり、どんどん成長しました。
何年か通っていると少女の成長はとても早く、女性と呼べるほどに変貌しました。少女は彼へのお礼も兼ねて、いろんな場所へ彼を連れて行きました。チェンライのローカルレストランやピクニック、穴場的な名所などに彼を案内します。
彼は少女と二人で行くことに抵抗がありましたので、かなり遠慮していました。すると少女の両親が「遠慮しなくていいから行ってきてください。娘もあなたを案内したがっている」と後押しします。
10代の中国系タイ人の少女と50代の日本人の親父という、親子のような関係が暫く続きました。はたから見れば間違いなく親子に見えますが、実はお互いが心を寄せあいつつあるカップルです。
暫くは何もありませんでしたが、自然に男女の関係になりました。彼女が入籍できる年齢になり、50代の親父と10代の女性という夫婦が誕生しました。
年齢差は35歳以上です。日本では絶対にありえない歳の差夫婦ですが、タイではそれほど珍しいことではありません。
タイの田舎では今でも結婚相手を決める主導権を握っているのは親です。もちろん、政略結婚やお金だけを目的にした結婚を娘に強制するわけではありません。娘の意見もキチンと聞いて後押しする感じです。
親が勧める相手を完全に拒否する娘はあまりいません。特に貧しい家庭が多いですから、外の世界を殆ど知らずに育った娘にとって、両親の影響は相当な大きさです。
両親も当然の事ながら娘の幸せを切に願って結婚相手を決めます。貧しい家庭の場合、やはり男性に求めるのは財力です。次に人柄です。
年齢は彼らにとって全く関係がありません。日本人も男性の経済力は当然重視しますが、年齢もやはり重視します。その年令がタイの田舎ではあまり関係がないのです。
若いタイ人男性は遊びたい盛りですから、結婚しても働かずに酒ばかりを飲んで、夜な夜な返ってこないタイ人男性は沢山います。
そんな男よりも人格が完成して、将来をしっかりと考えられる男性の方が幸せになれると考える親も沢山います。彼の場合は、このケースに当てはまりました。見ず知らずの自分を援助し続けてくれた男性に対して、少女も好意を抱かずにいられませんでした。
彼は今まで結婚してこなかったのは、独身主義を貫きたかったからではありません。教育という仕事一筋であったため、たまたま婚期を逃してしまいました。
奥さんを貰って、子供を作ってという家庭を彼も欲しいと思っていました。50歳を過ぎると日本では女性から相手にされなくなります。かといって同年代の女性となると子供は無理です。
子供を埋める年齢となれば35~40歳が限界でしょう。その年令の日本女性が定年まで遠くない男性と結婚することは皆無です。
結婚を諦めざるをえないと思っていた時に、チェンライで彼女と知り合い、両親も結婚を勧めてくれたので断る理由がありませんでした。二人の子どもと奥さんと一緒に郊外へ家を建てて住んでいます。
「子供ができると本当に女性は強くなります。結婚した頃は圧倒的に私の立場が上でした。一人目が生まれると対等になり、二人目が生まれると私が顎で使われるようになりました。ガハハハ」と彼は嬉しそうに話しました。
終